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【入門編】TAKISAWA社員の自主勉コラム~旋盤とは何?主軸編~

自主勉コラム

2022年08月30日

#人材育成

#初心者

#旋盤メーカー

前回は機械構成の全体図を使ってざっくり進めました。
今回は前回の予告通り、主軸についてさらに深掘りして解説します!
また前回同様、「TCN-2100」の製品カタログを用いて指標についても解説します。

前回紹介した内容を振り返りたい方はこちらから
[入門編]TAKISAWA社員の自主勉コラム ~旋盤とは何?~
 

さて、前回のおさらいですが、主軸とは何か覚えていますか??
主軸とは、「工作物を取り付けて回転運動を与える軸」のことです。
加工精度に直結する重要な要素部品なので、
基本特性として静かかつ回転を滑らかにすることが求められます。

1. 主軸の機構とは

まずは、主軸に関連する3つのキーワードから説明します

チャック・・・主軸端に取り付けて、工作物を保持するための部品。
シリンダー・・・チャックを開閉させるために動作するもの。油圧や空圧で動作するものが多い。
ドローバー(ドローチューブ)・・・チャックとシリンダーをつなぐ部品。

図1 主軸概略図

主軸の先端にチャック、後端にはシリンダーが取り付けられており、
その間はドローバーで連結されています。

次に動き方を見ていきましょう。

主軸には2つの動き方があります。
1つ目は「チャックの開閉」、2つ目は「回転」です。
これからこの2つについて説明します。

2. チャックの開閉の動き

シリンダーでチャックを動作させる事で工作物をクランプさせます。

図2 チャック開閉概略図

工作物をつかむには多くの部品がうま~く作用し合いながら動作しているんですね!
これは外径を掴むときの図なので赤色はチャックが閉じる動き(クランプ)を、
青色は開ける動き(アンクランプ)を表しています。

3. 回転の動き

モーターの回転がベルトを介して主軸に伝わります。そして主軸が回転します。
実際の全体図はこのようになります。

図3 主軸全体図

図3において、下にある細長い黒色のものが主軸モーターと呼ばれるものです。
そして中央上にあるのが主軸であり、その左側にベルトとモータープーリーが確認できます。
この図ではベルトが途中で途切れているように見えますが、ちゃんと繋がっています。
ここで、左上部分をさらに拡大して見てみましょう。

図4 主軸プーリー&ベルト部分

黒色の帯状のものがベルトで、それを下に受けているのが主軸プーリーです。
このように図3と図4から、ベルトはモータープーリーと主軸プーリーに引っ掛けて
モーターの回転運動を主軸に伝えます。

概略図と実物の写真を見比べると理解が深まったのではないでしょうか?

4. 各指標の説明

表1 カタログ 「TCN-2100」 記載の指標

ここからは表1における主軸の項目の中で特に重要な指標として、

主軸回転速度」「主軸端(呼び番号)」「主軸貫通穴径」について取り上げます。

主軸回転速度:主軸の単位時間当たりの回転数。
単位時間について表1を見ると、単位が「min-1」となっており、
これは1分間に何回転するかという回転の速さを表すSI単位(国際単位)です。
例)3200min-1 の場合は1分間に3200回転するという意味になります!

主軸端(呼び番号):主軸の輪郭で、面板・チャック・センタなどを取り付ける部分。
下にある図4の白破線内側が該当します。
主軸端には「A2-6」や「Φ80F」などの種類があります。

主軸貫通穴径:主軸に空いている穴の直径。図4の赤色の径が該当します。
ワークを主軸内に飲み込ませて加工することを検討している場合に貫通穴径の確認が必要です。

図4 主軸貫通穴

今回の解説はいかがでしたでしょうか?

次回は「刃物台」の項目について説明する予定です!ご期待下さい!

今回もたくさんの用語が出てきましたね!
こちらのページではより詳しく掲載されています。
もっと勉強したい方はこちらもどうぞ!

工作機械関連用語集 https://www.takisawa.co.jp/ir/words.html

TCN-2100についてはこちら